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植藤造園
ウエトウの植木屋仕事
2012.12.13

野点石張り工事②

体の芯が、ツンと寒くなる季節になりました。
みなさま如何おすごしでしょうか。
野点の石張り工事完成写真と、職人の世界をご覧ください。


会長の指示のもと、職人は石張りを行いました。
石張りの際、会長はざっくりとした指示はしますが、あとは大体黙って職人の様子を見ています。
私は設計なので、会長の指示のもと絵を描くことがあります。
その時も会長はどうされたいのか、ざっくりとしか言いません。
「ここはこうして、あとはお前の好きなようにせい」
このセリフを度々聞きます。
なかなかどうして、難しい言葉でしたが、休憩時間に会長が話しているのを聞き、納得しました。

「わしらの仕事は感覚や。大きな指示は出すけど、あとはそいつの力量次第。
大体の指示を出せば、そいつの頭の中には使う石がみんな入ってるから
『あそこにはあの石を、次はその石を』という風に大体決まってるんや。
創るやつには大体見えとる。
他の者がそこでじゃじゃ馬出す方が、創るやつには予定が狂って迷惑や」
というような事を、話していました。
石張り工事を見ていたら、職人は使用する石を綺麗に並べていました。
休憩時間になるとその石をじっと見て、何か頷いたり、自分のした仕事を見て確認したり、
もう一人の職人の仕事を見てから、また自分のとこを見たり。
きっと石を見ながら 、色々と考えているのでしょう。
会長がざっくりとしか指示しないのは、そういう事なのでしょう。

石張りを終え、職人は目地を丁寧に入れていました。
目地入れも、私はしたことがないので分かりませんが、職人が石を張ってる際に
「ここは、これだと目地入れする人が大変」
と話しているのを聞き、そういうのも併せて考え、石を張ってるんだな、と分かりました。
会長は 「よく考えもってせい」
と度々に言いますが、そういうことなのでしょう。
目地が綺麗に入り、石張り工事は完成しました。

梅に囲まれた空間にある野点です。
朝と夕、刻々と変わる光と影が石張りに入り込み、季節によって景色が変わります。
この都市に住まれる方々に、愛される場所となりますように。
(株)植藤造園 設計 ブログ担当者

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