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植藤造園
桜シリーズ
2011.6.4

継ぐ

桜の実が5月半ばくらいから樹種ごとに色づいてきました。
会長もそわそわと実の様子をご覧になっていました。

ここのところ、私には新たな日課ができました。
毎朝掃除の帰りしな、桜の実の様子を観察することです。
今日は桜の「実摘み」について書きたいと思います。



桜の実が紅~黒く色づいたころ、「実摘み」が行われます。
樹種を確実に把握するため、基本的に枝についている実を摘んでいきます。

桐ケ谷(キリガヤ)という種類の桜の種です。先週くらいから徐々に色づき始めたところで、
ようやく摘める状態になりました。
実を摘む時は基本的に梯子に登って届く範囲、又は、ある程度登れる木に関しては登って摘みます。
桐ケ谷に関しては幹が細く、樹形が上に伸びる形だったので、職人に摘んで頂きました。
ちなみに、桐ケ谷の花は下の写真です。かわいらしいですね。

実は摘んだら、強制剥離して種だけの状態にします。

このとき、実からポコンと種を出すのが、ちょっと楽しいです。
剥離していて気が付いたのですが、実の色素が桜ごとに違う感じがします。
祇園桜(ギオンザクラ)は手に藍色のような青い色素が残ります。
紀保桜(キホザクラ)は濃い紅色が残ります。
会長曰く、染めるに耐えられない色素らしいのですが、気になります。
さて。
剥離したものはこんな感じに種だけの状態になります。

水を使いながらやるので、これはまず乾かします。
現在、多くの品種の種を乾かしています。

私は初めてのことだったので、実摘みも剥離作業も楽しく、発見の日々です。
こうやって親木から種をとって子供(子木?)を育てていくのですね。
どれだけの種が5年後、木として成長てくれるでしょうか。
代々、継いでいくのは木も一緒なのですね。
今から種を撒く日が楽しみです。
㈱植藤造園 設計 ブログ担当者

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