蝉時雨が毎日聞こえます。皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、植木屋以外の方は、造園会社に「仕事のシーズン」があるのをご存知でしょうか。
今まで、なるべく、触れないできた造園の神聖な領域(と私が勝手に思っている)
「お手入れ」について書きたいと思います。
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お盆前。どこの植木屋さんも忙しいかと存じます。
造園会社にとって、夏季は大事なお手入れのシーズンです。
春に若葉が芽吹き、夏に旺盛に成長していく樹木たち。
それはもう、もっさもさになります。
夏の緑のムッとした匂いを皆さんもよくご存知と思います。
枝葉が茂るのは、樹木の成長にとって欠かせないものです。
しかし、私たち人間が暮らす場所で自然のままに成長されても、様々な支障があります。
例えば。
お隣さんの敷地が暗くなってしまったり、枯葉が落ちたり。
この越境枝はしばしば問題になります。
(※越境枝【えっきょうえだ】:敷地外に伸びてしまっている枝のこと)
また、枝が繁茂することにより、風通しが悪くなり、樹の葉より内部、枝や幹の部分が
暗くなります。そうすると、そこが虫の住処になっていきます。
この虫たちは、野山に居る分には良いのですが、私たちの生活するとこへ
出てこられると困ります。いわゆる害虫の多くが出てきます。
そういった問題をなるべく回避するためにも、夏季のお手入れは重要です。
主に剪定と、薬剤散布が行われます。
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―薬剤散布―
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―剪定・手入れ―
では夏季にお手入れでなく、造園工事はないのか?というと、
これは殆どないと言って良いでしょう。
この猛暑期に樹木を動かせば、枯れる可能性が大変高いためです。
成長したいときに、根を切られそれを無理矢理ストップされてしまうのです。
樹木には休眠期というのがあり、それに合わせて仕事をしなくてはいけません。
さて。お手入れに話を戻します。
私は入社した頃、お庭のお手入れは女性のそれに非常に近いと感じました。
それは今も感じており、ざっとこんな感じです。
爪や肌のお手入れが、庭の日常のお手入れです。
水やりや軽い掃除、雑草抜き。
私たち人の女性で言うと、綺麗な子程、この日常のお手入れを重要視しています。
美人の友達曰く、「眉毛の手入れが、全体の印象を決める」そうです。
これらは庭で言うと枯れ枝葉や雑草にあたると感じています。
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―お手入れされていない雑草だらけの状態―
そして髪を切るのが、夏季剪定だと思っています。
枝葉が成長し、もっさりした木の剪定をすれば、印象もスッキリし綺麗になります。
髪もカットしてから一定の日にちが経つと、もさもさしてきて気になるものです。
「一日幸せでいたければ床屋に行け」で始まるイギリスの諺もあります。
確かに、髪を切ればその一日はなんだか幸福です。私の場合は3日くらい幸せです。
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―雑草を抜けばとりあえず、スッキリします―
こんな風に自分の事と照らし合わせると、
「お庭の手入れって大事」と思えるのではないでしょうか。
職人は皆、漢気が溢れていますが、仕事の細部は非常に女性的だと感じるのは、このためでしょう。
上の2枚の写真は、本日会社の一角で、私が雑草抜きしました。
前に園内手入れをしている職人さんから「ここお前の担当やし」と言われ
「そうだったのか!」と驚愕し、せっかくなのでブログにしました。
木は私では触れないので、あとはその職人さんにお願いしました。
雑草がなくなるだけでも、なんだか気持ちよくなって、とても楽しかったです。
少なからず、今日一日は、幸せに過ごせる予感がします。
(株)植藤造園 設計 ブログ担当者