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植藤造園
桜シリーズ
2012.12.28

いちねん

寒さに厳しさが増してきました。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今年のブログは、桜で始まったので桜で、終わりたいと思います。
桜の一年生の成長を、ご覧ください。


写真は、今年の3月26日に撮影したものです。
去年に種を採取し、播種したものが芽を出したその日
愛らしい姿に感動したものです。
( 関連ブログ 『継ぐ』 『播種 -hashu-』 『ぴょこぴょんと春を告げる』 )
次々と芽吹き、5月には青々とした葉をつけていました。

若干、植え過ぎた感は否めませんが、、、
しかし、ここから桜の苗たちは熾烈な争いを始めていました。
密集され植えられたために、光合成・土の養分・水分を吸収するためには
お互い、競争をしなくてはいけません。
命の成長とは過酷なものです。
それが、自然であるという事が、この一年でよく分かりました。

写真では分かりづらいかもしれませんが、写真の右が南となり、左が北となります。
よく見ると全体的に、南側の苗よりも、北側の苗の方が背が高いのが分かります。
南側よりも北側の方が陽が当たりにくいために、より高く成長したのかもしれません。
大きな苗は一年目にして1.2mもありました。
さて。
鉢植えする際に、おそらく種がこぼれたのでしょう。
たまたま地植えとなった苗があります。

ご覧ください、明らかに周りの苗と比べて大きく育っています。
勿論、根が吸収できる養分の範囲はより広く、光合成もしっかりできたためでしょう。
しかし、この立派に育った苗を見て 会長はぽろりと
「やっぱり過保護はあかんなあ。」
と一言。
鉢植えしたものは、苗が育ちやすいように、良い土を入れてあります。
それに比べ、周りの土には砕石が多く、固い土で苗が育つには劣悪な環境と言えます。
でもその劣悪な環境から伸びた苗は、明らかに鉢植えの苗よりも堂々としていて、大きく立派です。
「可愛い子には旅をさせよ」
「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす」
などのことばが思い出されます。
過酷な環境で育った苗は少しひねくれていますが、強く見えます。
とは言え、まだまだ一年生の苗たち。
今後どのように成長してくれるか、楽しみです。
勿論、今後も熾烈な争いが繰り広げられていきます。
ですが、そうして10年後には花を、咲かせてくれるでしょう。
50年後には多くの人から「綺麗ね」と、声をかけてもらえるでしょう。
桜の一年の成長を感じると、この先が楽しみになります。
来年が、良い年となりますように。
(株)植藤造園 設計 ブログ担当者

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